位相変調システム

 LCOS-SLM(Liquid Crystal on Silicon - Spatial Light Modulator)は、アドレス部にCMOS技術を応用して直接液晶を電圧制御する事で、高精度と高速応答を実現した反射型電気アドレス空間光位相変調器です。最適な光学設計により、高回折効率と高光利用効率を実現しています。 コントローラでは、インターフェースとしてコンピュータディスプレイ等の標準規格であるDVI(Digital Video Interface)を採用しており、コンピュータディスプレイの表示と全く同じ方法で光の位相の空間分布が制御可能です。 LCOS−SLMでは、ミラー表面の歪曲・液晶層の厚さの不均一性・液晶の非線形応答性等による制御歪みが避けられませんが、デジタル処理によりこれらの影響を補正し、高精度な制御を実現しています。この様にコンピュータ制御が容易なだけでなく、高精度・高線形な空間光位相変調を実現しています。

LCOS-SLMの動作原理

LCOSチップでは、平行配向されたネマティック液晶層で光を変調することにより、光強度や偏光方向の変化を伴わずに、光の位相のみを変調することが可能です。 またコンピュータからのDVI信号で画素ごとに液晶の状態を制御することで、位相変調量が制御されます。

LCOS-SLMの強み

LCOS-SLMは高精度光位相変調が可能な空間光位相変調器で、理論値に近い高い回折効率が得られます。左図は弊社にて動作確認を行った実験結果であり、ファイバー出射光に対して、LCOS−SLMに多値位相格子を表示した際に得られる回折スポット像です。多値位相格子を利用することにより、例えば+1次のみに回折スポットを集中させることが可能となるため、高い光利用効率を得ることができます。右図は回折効率の代表的な例を示します。ここでの回折効率は、変調を行わない場合(パターン無し)の0次光強度に対する、1次回折光強度の比です。

LCOS-SLMの詳細情報
LCOS-SLMの詳細情報は製造元の浜松ホトニクス株式会社のホームページをご覧下さい。

浜松ホトニクス株式会社 位相変調システム LCOS-SLM