定量位相顕微鏡

ホログラムとは

 光の振幅と位相の情報を干渉縞の形で記録したものをホログラムと呼びます。 そのホログラムを作成する技術をホログラフィーと呼びます。
 ホログラフィーは、我々が住んでいる3次元空間の情報を2次元平面に記録・再生することが出来る究極の3次元表示方法と言われています。作成されたホログラムは、そのユニークな特徴により、表示・測定・処理などの様々な分野に応用されています。

ホログラムの作成・再生方法と応用例

ホログラムの作成方法

ホログラムの作成方法 3次元物体の光波面(物体波)と参照波を感光媒体上に同時に照明すると、両者の光が干渉しあって、感光媒体上に干渉縞が形成され、ホログラムが作成されます。ホログラムは非常に細かい縞から構成されており、膨大な3次元情報が記録されています。しかし、ホログラム自体を観察しても何が記録されているのか分かりません。下記にホログラムの再生例と応用例についてご紹介します。

ホログラムの再生と応用例1(表示:ホログラフィックディスプレイ)

ホログラムの再生と応用例(表示) 作成されたホログラムに対して、作成時と等しい参照波でホログラムを再生すると、ホログラムから作成時と等しい物体波が再生されます。つまり、1の位置からホログラムを観察すると3次元物体を観察することができます。これを応用したものが3Dディスプレイです。

ホログラムの再生と応用例2(測定:ホログラフィー顕微鏡・ホログラフィックメモリ)

ホログラムの再生と応用例(測定) 作成されたホログラムに対して、記録時と正反対方向から参照波でホログラムを再生すると、作成時の物体波と正反対方向に物体波の位相共役光が発生します。2の位置にセンサを用いて、3次元物体の情報を並列的に読み出すことができます。これを応用したものがホログラフィックメモリやホログラフィー顕微鏡です。

ホログラムの再生と応用例3(処理:光相関器)

ホログラムの再生と応用例(処理) 作成されたホログラムに対して、作成時と等しい物体波でホログラムを再生すると、参照波の相関信号が発生します。例えば、少し形状が異なる3次元物体の物体波で再生した場合、参照波の相関信号が少し弱まります。次に、形状が全く異なる3次元物体の物体波で再生した場合、参照波の相関信号は発生しません。3の位置にセンサを用いて3次元物体の相関値を得ることができます。これを応用したものが光相関器です。

 以上の様に、ホログラフィーを用いることにより3次元情報を並列的に記録・再生することが出来ます。そのためにホログラムは超大容量・超高速な入出力媒体として実用化が期待されております。